予防接種について
当院では、生後2カ月以降のお子さまに対し、年齢や病歴に合わせたオリジナルの「接種カレンダー」をプランニングしております。症例数は豊富ですので安心してお任せください。
毎月1回、院長による「予防接種のおはなし」を行っております。予防接種全般に関することから種々の接種の詳細にいたるまで、あらゆるご質問にお答えいたします。お子様を連れての聴講も可、また、お子様のいない妊婦の方も大歓迎です。日程等につきましては、受付までお問い合わせください。
当院で接種できるワクチン
ワクチンの種類と接種間隔
生ワクチン
麻しん(はしか)、風しん、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜ、BCGなど
27日以上間を空ける
注射の生ワクチンの場合、接種した翌日から次の注射の生ワクチン接種を受けるまで27日以上の期間を置く必要があります。
ロタウイルスは経口ワクチンなのでその必要はありません。
また、次が不活化ワクチンの場合は間隔をあける必要がありません。
不活化ワクチン
B型肝炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、4種混合、日本脳炎、子宮頸がん、インフルエンザなど
間隔をあける必要ありません
例えば、B型肝炎ワクチンの翌日にヒブワクチンを受けることが可能です
同時接種について
2種類以上のワクチンを1回で接種することです。現在、こどもに接種できるワクチンのどのような組み合わせでも安全に接種できることがこれまでの研究でわかっています。また、1回で接種できるワクチンの本数に原則制限はありません。通院回数が少なくなるほか、接種忘れを防ぎ、お子さまの感染リスクを減らすメリットもあります。
B型肝炎ワクチン(定期接種、不活化ワクチン)
- 【説明】
- 慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんなどを発症させるウイルス対策です。非常に感染力が強く、輸血、歯科治療、入れ墨・ピアスの施術など、さまざまな感染経路が確認されています。
- 【接種対象年齢】
- ワクチンは生後すぐから受けられますが、通常は生後2か月頃から接種を始めるのがおすすめです。十分な免疫を獲得するには2回目まででは不十分で、3回目の接種が大事です。また、ワクチンの効果は10~20年前後とされています。10~15歳頃に追加接種をすることが望ましいと思われます。
- 【接種間隔】
- 合計3回行います。
最初の4週間で2回、20週から24週経過後にもう1回 - 定期接種の対象者は平成28年4月1日以降に生まれた生後1歳になるまでのお子さん(1歳の誕生日の前日まで)です。
ロタウイルスワクチン(定期接種、生ワクチン)
- 【説明】
- 冬から春にかけて胃腸炎を引き起こし、下痢便の色が白くなってきます。重症化すると脱水し、入院による点滴治療が必要となるでしょう。注射ではなく飲むタイプの生ワクチンで、以下に挙げる2種類があります。
- いずれのワクチンも生後12週6日までに初回接種することをお勧めします。
- <ロタウイルスワクチンの価数について>
- ロタウイルスにはいくつもの種類があり、このうち主に5種類がロタウイルス胃腸炎の原因となります。
「価数」は、ワクチンに含まれるウイルスの種類の数を表しています。
価数が多い方が効果が大きいと考えられがちですが、予防効果は抗体のつき方や体内での増え方に関係します。現時点では、ロタテックとロタリックス予防効果の決定的な違いはないと言われています。ロタウイルスワクチンの2つの一番大きな違いは、接種回数です。1価ワクチン(ロタリックス)が2回、5価ワクチン(ロタテック)が3回です。当院ではいずれのワクチンも接種できますが、途中からの変更はできません。
- ロタリックス® 「経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン」 (1価)
- 【特徴】一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。交差免疫**によってほかの種類のロタウイルスにも有効であることがわかっています。
**交差免疫:ワクチンに含まれているウイルスに対する免疫を獲得することで、タイプの似ているほかのウイルスにも防御反応を示すこと
- 【接種対象年齢】
- 生後6週から接種できますが、ほかのワクチンとの同時接種を考えて、生後2か月からが最適です。
- 生後2カ月から24週(168日)まで。
- 【接種間隔】
- 4週間隔で2回接種します。ほかのワクチンとの同時接種を考えると、生後2カ月目と3カ月目の組み合わせをお勧めします。
- 【特徴】一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。交差免疫**によってほかの種類のロタウイルスにも有効であることがわかっています。
- ロタテック® 「5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン」 (5価)
- 【特徴】 流行して重症化しやすいウイルスを含む5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。
- 【接種対象年齢】
- 生後6週から接種できますが、ほかのワクチンとの同時接種を考えて、生後2か月からが最適です。
- 生後2カ月から32週(224日)まで。
- 【接種間隔】
- 4週間隔で3回接種します。ロタリックスと同様、生後2カ月目の開始が望ましいでしょう。
ヒブ感染症(定期接種、不活化ワクチン)
- 2024年4月から四種混合(DPT-IPV)とヒブワクチンを混合した五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)が導入されました。
- 【説明】
- 鼻やのどから入り肺炎や中耳炎などをおこす菌で、「インフルエンザ菌b型」と呼ばれていますが、一般的な「インフルエンザウイルス」とは異なります。髄膜炎(ずいまくえん)に至ると命の危険にも関わる危険な病原菌です。集団保育の場合かかりやすいので、注意してください。
- 【接種対象年齢】
- 生後2か月から接種できます。
初回の接種月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なります。 - 【接種間隔】
- 合計4回行います。
標準的なスケジュールでは、4~8週間隔で3回、3回目から7か月以上あけて1歳すぐに4回目を接種します。
小児用肺炎球菌ワクチン(定期接種、不活化ワクチン)
- 【説明】
- 症状はヒブ感染症と似ていますが、髄膜炎に発展するケースが少ないとされています。それでも、危険な病原菌であることは変わりませんので、油断をしないようにしてください。集団保育上の注意も同様です。
- 【接種対象年齢】
- 生後2か月から接種できます。初回の接種月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なります。
- 【接種間隔】
- 標準的なスケジュールでは4週間隔で3回、3回目から60日以上あけて生後12~15か月齢に4回目を接種します。
5種混合ワクチン(DPT-IPV-HIB 定期接種、不活化ワクチン)
- 2024年4月から四種混合(DPT-IPV)とヒブワクチンを混合した五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)が導入されました。2024年2月以降に生まれた赤ちゃんは原則として五種混合ワクチンを接種します。
2024年3月までに四種混合ワクチンを接種していたら、残りの必要回数も原則として四種混合ワクチンを接種しますが、五種混合ワクチンに変更しても間違い接種ではありません。 - 【説明】
- 以下の病原菌などに効果があります。
1.ジフテリア菌
毒素をだして神経や心臓の筋肉を侵します。
2.破傷風菌
傷口などから入って筋肉がまひする毒素をだし、呼吸ができなくなることがあります。
3.百日咳菌
かぜのような症状から始まり、次第に「ヒュー」という音を伴った独特のせきを繰り返します。乳幼児に限らず、成人の症例も散見されています。
4.ポリオウイルス
神経や筋肉がまひし、重症化すると運動障害の後遺症を引き起こすことがあります。 - 【接種対象年齢・接種間隔】
- 2期に分かれ、合計5回接種します。
■1期
生後3カ月以降から可能です。3週から8週間隔で3回、その後1年をめどに4回目を行います。
■2期
11歳以降にジフテリアと破傷風のDTワクチンを受けましょう。
BCG(定期接種、生ワクチン)
- 【説明】 結核を予防するためのワクチンです。
- 2013年4月から生後11か月(1歳未満)まで定期接種で受けられるようになりました。
結核菌による髄膜炎や全身性の結核を防ぐために流行している低開発国では生まれてすぐに接種しますが、年齢が低いと副作用も大きくなります。また、生まれつき免疫がたいへん弱い先天性免疫不全症の赤ちゃんには接種できません。先天性免疫不全症の診断がつけにくいこともあり、生後3か月未満での接種はおすすめできません。 - 【接種対象年齢・接種間隔】
- 生後3カ月から生後11か月(1歳未満)までに1回接種します。スタンプ方式の接種。
1回のみとなります。乳幼児の免疫力を考えると、生後5カ月から8カ月がお勧めです。
MR(麻しん・風しん)ワクチン(定期接種 生ワクチン)
- 【説明】
- ■麻しん
- かぜに似た症状を伴い、発熱と赤い発疹が体中に広がることが特徴です。重症化すると肺炎などを合併する場合があります。
- ■風しん
- 麻しんと異なる点は、発疹と共に、耳の後ろにあるリンパ節が腫れることでしょう。3日程度で治まることから「三日ばしか」とも呼ばれています。妊婦が感染すると、胎児に先天的な障害をのこすことがありますので、ご注意ください。
- 【接種対象年齢・接種間隔】
- 2期に分かれ、合計2回接種します。
- ■1期
- 1歳の間(2歳の誕生日まで)に1回。
- ■2期
- 小学校入学の前年に1回。
水痘(みずぼうそう)ワクチン(定期接種、生ワクチン)
- 【説明】 発熱と同時に紫色の水疱を伴い、非常に強いかゆみが生じます。感染力が強く、脳炎や肺炎、皮膚病などの合併症を引き起こす場合があります。
- 【接種対象年齢・接種間隔】
- 1回目:生後12カ月になったら1回目(標準的には生後12月から生後15月までの間)
2回目:1回目の接種から3か月以上経過してから行いますが、標準的には1回目接種後6月から12月まで経過した時期
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチン(任意接種、生ワクチン)
- ※小山市は部分公費助成あり
- 【説明】
- 発熱と共に、両耳の下が腫れて痛みを伴う疾患です。多くの場合1週間程度で治まりますが、髄膜炎や難聴などの後遺症、男の子の場合精巣炎などの合併症を引き起こすことがあります。また、まれに無菌性髄膜炎の副作用が考えられますが、その発症率は自然感染よりも低いとされています。
- 【接種対象年齢・接種間隔】
- 合計2回になります。
1回目は、1歳を過ぎてからMR(麻しん・風しん)ワクチンの次に受けるか、同時接種を行います。
2回目は、1回目の接種後2~4年たったら2回目を接種するのがおすすめです。
日本脳炎ワクチン(定期接種、不活化ワクチン)
- 【説明】
- 蚊を媒介としたウイルスによって脳が冒されることで、発熱や頭痛、嘔吐(おうと)などを引き起こします。重症の場合は命の危険性も考えられる、非常に危険な感染症です。
- 【接種対象年齢・接種間隔】
- 2期に分かれ、合計4回接種します。
■1期
標準は3歳からですが、生後6カ月以降で接種できます。1週から4週間隔で2回、それから約1年後に追加の3回目。
■2期
9歳から10歳までの期間に1回。 - 追記
- 1995年(平成7年)4月2日生まれ~2007(平成19年)4月1日生まれの方は、特例措置が適用されます。20歳まではワクチンを受けられますので、日本脳炎ワクチンの接種回数を母子健康手帳で確認しておきましょう。
インフルエンザワクチン(任意接種、不活化ワクチン)
- 【説明】
- 重症になると脳に障害を与える場合があり、意識障害やけいれん、異常行動などの後遺症が考えられます。卵アレルギーの方は、ショックやじんましん、呼吸困難などを引き起こすことがありますので、事前にご相談ください。
- 【接種対象年齢・接種間隔】
- 生後6カ月から接種可能です。
13歳未満は約2から4週あけて2回接種 - 13以上は1回接種
- 毎年の流行状況から、年末までに接種を済ませることをお勧めします。
子宮頸がんワクチン(定期接種、不活化ワクチン)
- 【説明】
- 若い女性に特有のがんであり、発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV16型・18型)の感染が主な原因です。
詳しい情報についてはこちら - 【接種対象年齢・接種間隔】
- 10歳以上の女性
合計3回行います。
初回、初回から1カ月後、初回から6カ月後が一般的です。
髄膜炎菌ワクチン(任意接種、不活化ワクチン)
- 【説明】
- 髄膜炎を予防するワクチンです。学生寮や運動部などの集団生活で感染のリスクが高まることが知られています。また、海外留学で入寮する場合、特に米国の学校では入学に際して接種証明を求められることが多いので注意が必要です。高校や大学の運動部などでの入寮する場合や海外留学では、事前に接種をすることをおすすめします。
またアフリカや中東、特に「髄膜炎ベルト」と呼ばれるサハラ砂漠以南、セネガルからエチオピアにかけての帯状の地域に含まれる国々渡航する時は必ず接種を受けてください。
- 【接種対象年齢・接種間隔】
-
2歳〜55歳に1回接種します。接種量は0.5mlです。上腕に筋肉注射します。
(米国では、10代後半から20代の感染予防のために定期接種となっており、11〜12歳に1回、さらに16歳で追加接種を受けることが推奨されています。)